レッスン7-2では自己肯定感について学習しました。
このレッスンでは自己肯定についてもっと詳しく学習していきましょう
前回のレッスンで、自己肯定感が欠けていると自分への承認がまず第一に必要となり、そのため子供への干渉が多くなったり「子供の話を最後まで聞き、子供に問題を解決させる」コーチングを実践するのが難しくなることを学習しました。
また、自己肯定感が低いと、使う言葉や思考がネガティブになりがちです。コーチは、子供をポジティブな思考に導く役目がありますから、自己肯定感が低い状態でのコーチングがスムーズにいかないこともあります。
自分の親が問題の場合
自己肯定感は成長の過程で培われます。ですから、自己肯定感が低いと感じる場合、親に問題がある場合がほとんどです。ですから人に話して否定的な気持ちを消化させるのが難しいのです。
心理学や海外のセラピー関係のメソッドでは、自分の親に対峙したり、「親に過去の問題をぶつけ、謝ってもらい和解する」方法が一般的ですが、その方法自体にストレスを感じてしまう場合も多いでしょう。
ここでは、親に対峙することなく、自己肯定感を高める方法を紹介します。
原因がわかったら自分の否定的な感情を認める
過去、自分の自己肯定感を弱めるような出来事を振り返ってみます。自己肯定感は長い間かけて培われたり、失われたりするものですから、この振り返りは長い旅のようになるかもしれません。
振り返りから”気づき”を得るまで数ヶ月から数年かかることもありますから、急がずゆっくり、何度も機会を作って振り返ることが重要です。
例:
発表会があった時、親に喜んでもらえると思って練習したが親は発表会に来てくれなかった
親にプレゼントをした時、弟(妹など)のプレゼントのほうが喜ばれた
親に「あなたは何もできない子だ」と繰り返し言われた
※このような些細な出来事で全く構いません。自分個人が過去、がっかりしたこと、悲しかったこと、気になっていることなどを思い出し、それがどのように現在の自己肯定感につながっているかを考えます。
まず、その感情を自分で承認してあげましょう。
「発表会に来てくれなかったのは、仕事が忙しかったからだ。しょうがない」などとポジティブに考えることもできますが、ここでは気持ちを無理に黙らせる必要はありません。あなた自身の「失望した気持ち」に注意を向けてあげましょう。
「あの時は仕事が忙しかったと親に言われたけれど、とてもがっかりして落ち込んだ。私の演劇など、どうせつまらないんだと思った。」という正直な気持ちなってみます。そしてチャイルドコーチングで学んだように、自分自身の気持ちも「承認」してください。
「そうだ、とてもがっかりしたんだよね」
「私のプレゼントも喜んで欲しかったんだよね」
このように、自分が親にしてもらいたかった「承認」を自分自身でしてあげるのです。
意識を向けられた悩みや気持ちはコーチングで「話を聞いてもらった」状態と同じです。
一度意識を向けてもらうだけで昇華し、消えてしまうものもあるのです。
もちろん、強い感情や、深い感情は一度で消えることはありませんが、その場合は、感情が浮かんでくるたびに「自分の気持ちの承認」を繰り返し行ってください。いつか、その気持ちは消えていくでしょう。
アファメーションを行う
アファメーション(Affirmation)とは、英語で「断言する」「肯定する」「確言する」という意味があり、コーチングでは「自己肯定」を深める方法として利用されています。
コーチングでアファメーションが利用されるようになったのは、ルー・タイスの著書「アファメーション(原題:Smart Talk)」からです。肯定的な言葉を何度も自分に繰り返すことにより、潜在意識に良いイメージをうえつけて、自己肯定感を高めるテクニックです。
アファメーションでは、「これが本来の私です」と、理想とする像や精神状態を口にだして繰り返します。
アファメーションの仕組みは、「自分に語りかける言葉をコントロールすること」にあります。
自己肯定感が低い場合、心の中で自分に向けてネガティブな言葉が発せられています。また、過去にネガティブな言葉が向けられてきました。
それをポジティブで望ましいものに自分で変え、自分に語りかけるのです。
アファメーションの方法は:
「私には価値がある」
「私は健康で力があります」
「私は素晴らしい人間です」
などの自分にとってポジティブで意味のある言葉を口に出して繰り返すだけですが、最初のうちは1度口に出すのも大きな心理抵抗があるはずです。
ポジティブなアファメーションを聞くアファメーションCDなども多く発売されていますので、どうしてもポジティブな言葉を口にするのが難しい場合、このようなCDを聞くのもひとつの方法です。
アファメーションの効果が現れるのには時間がかかります。すぐに効果がでなくても、それは普通ですから、長い目でみて続けるようにしてください。
アファメーションが効かない場合
中には、ポジティブなアファメーションを行うと、逆に気分が沈むという人もいます。
そのような場合は、低い自己評価が深く根付いてしまっているケースが考えられるでしょう。
そのようなケースには、「アファメーション」と「実行」のコンビネーションが効果的です。
例えば、「私は美しい」というアファメーションをしたけれど、「私は美しい」という言葉を口に出すのが非常に難しく、何度繰り返しても気持ちに響かないような場合があります。
「私は美しい」という言葉が自分自身で受け入れられるようになるにはどうしたらいいか考えてみてください。
「今より5キロくらいスリムだったら、少しは受け入れられるかもしれない」という答えが出てきたら、その理想に近づく行動を行ってください。
「少しは行動をしている」という事実と「アファメーション」が重なると、潜在意識がアファメーションを受け入れやすくなります。
