Lesson7-2「ペアレント・ケア②ー親の問題の解決」

チャイルドコーチングをしていて、コーチである親が「自分は自分の親にこんな育て方をされてこなかった」と、不満に思う場合もあります。

子供の話を聞いたり、存在を認めたりすることも「自分がそのように扱われなかったから、自分の子供に(だけ)そのような扱いをするのは抵抗がある」と感じる場合もあります。

チャイルドコーチングは子供に自己肯定感を与える育児法です。しかし、コーチ(親)に自己肯定感がない場合、それを与えることに難しさを感じてしまうのは無理がありません。

自分を自己肯定しよう

チャイルドコーチング中に、「まず私(親)の気持ちがケアされるべきだ」と感じたら、そのようにしてください。

コーチである親のニーズもケアされる必要がありますし、問題を抱えていたらそれも解決されるべきです。

親の心が安定していなければ、子供にも安定感を与えることができませんし、親がイライラした気持ちのまま、子供に温かい眼差しを向けることは難しいでしょう。

「自己肯定」とは、自分の存在を大切に思ったり、高く評価することです。

自分の存在が良いものに思えない状態は、自分で自己を否定しているので「自己否定」といいます。

あなたは自分が好きですか?

好きだとしたらどのくらい好きですか?どこが好きですか?

嫌いだとしたら嫌いな部分はどこですか?

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「自分が好きです」と即答できる人は少ないかもしれません。

一方で「嫌いな部分」はいくつもスラスラ言えるのではないでしょうか?

一般的に「自己肯定感」が強いと、自分に自信がありますから、他人の評価に過度に反応することはありません。

その結果、他人を気にすることなく受け入れることも簡単にできます。そのため、自己肯定感が強い人は積極的に人間関係を築くことができ、たとえトラブルがあっても自分の人格が傷つけられることはありません。

一方、自己肯定感と逆の感情である「自己否定感」が高いと本人が自分自身を信用していませんから、そのような状態で他人から批判されたり拒絶されたりすると自分そのものを喪失してしまいます。そのため、人間関係に過度に気をつかい、慎重に行動します。

自己肯定感は幼少期にどのように育てられたかで決まると言われています。

親が細かく子供を批判したり、けなしたり、他人と比べたりした場合は自己肯定感が低くなります。

しかし、もし自己肯定感が低くてもがっかりする必要はありません。自己肯定感は大人になってからでもいくらでも培うことができるのです。

自分にどんな言葉で話しかけていますか?

自己肯定感が低いと感じたら、普段自分が使っている言葉に気をつけてみましょう。

自分に使っている言葉が通常子供にも向けられているはずですから、チャイルドコーチング中に自分のボキャブラリーの傾向に気付くかもしれません。

「どうしてできないの?」「どうしてだらしないの?」「何でそんなに不器用なの」など、「できない」「ダメ」という単語を子供によく使ってる場合は、自分自身にも普段からそう話しかけているはずです。

否定的な言葉に注目し、その言葉を飲み込むかもしくはポジティブな言葉で言い換えるように練習してみてください。

残念ながら、自己肯定感は長い時間をかけて培うものですから、使う言葉を変えても一夜にして肯定感が上がるというわけではありません。

しかし、ずっと否定的な言葉を使い続けているよりもずっとよい肯定感につながります。

自己肯定感を下げる人が周りにいますか?

あたなの周りに、あなたの自己肯定感を下げる人物がいますか?

それはあなたのかけがえのない親かもしれませんし、仲の良い友達かもしれません。

悪意はなくても家族や配偶者があなたの自己肯定感を下げる発言をすることもあるでしょう。

その人達はあなたの存在を否定したり、あなたの自己肯定感を下げようと意識しているわけではありません。

彼ら自身の自己肯定感を上げるために、あなたの肯定感を下げる必要があるだけです。

「彼らも自己肯定感が低いから、それを一生懸命上げようとしているんだ。かわいそうだな。大変だな。」と思ってあげてもいいのです。

しかし、自己肯定感を守るためには、そのような人たちから一時的に離れている必要があります。

なぜか会うと暗い気持ちになる友人がいるとしたら、彼らの会話の中にあなたの自己肯定感を下げるような発言が含まれているかもしれません。

自分の自己肯定感が低い状態だと思ったら、そのような”攻撃”に自分を会わせない努力が必要です。

自分の自己肯定感が高くなってくれば、そのような人たちと上手に付き合う精神的余裕が生まれますから縁を切ったりする必要は全くありませんが、一時避難が必要と判断したら自分を守るために行動しましょう。

また、自己肯定感を下げる環境にいる場合も同じです。

職場で自分の評価が低い場合、もちろん業績を上げて評価をあげる努力も必要ですが、状況が良くならなければ、自己肯定感を守るためその環境に見切りをつける勇気も必要です。

過去を振り返ってみよう

もし、あなたが自己肯定感が低いと思う場合、自己を否定するようになった原因は何か考えてみましょう。

「発表会で失敗したとき、慰めてもらえずにみんなの前でけなされた」学校に原因があるかもしれませんし、常に兄弟と比較した親にあるのかもしれません。

過去を振り返り、原因を探ることで「これでは自己肯定感が育たなくてもしょうがない」と納得できるかもしれませんし、その中で自分は良くやってきたほうだと、自分を褒めたい気持ちになるかもしれません。

わだかまった思いは、意識を向けるだけで消滅することもあります。一方で、何度も浮かんできて消えないトラウマのような思いもあります。

一瞬に消える思いも長い間向き合って消える思いもあると知っていれば、悩みや過去の辛い経験を上手に扱えるようになります。

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行動で自己肯定感を上げよう

自己肯定感は行動しなければ上がりません。

日々の生活の中では、小さな目標を立てて小さな達成感を得ることからはじめてみましょう。

家事のタスクでも、「やることリスト」などを作り、仕事が完了したらチェックを入れていくだけで達成感があります。

できなかった部分は大目にみる余裕も必要です。できない部分に注目してしまうと、せっかく自己肯定感を高める練習が自己否定感を強める練習になってしまうからです。

一日の終わりに「今日のよかったこと」をリストアップする方法もポピュラーな方法で効果が認められています。

この練習は2,3日行っても自己評価に目に見えて変化は生じないかもしれません。

目の前の達成感に喜ぶことに集中し、達成感がいつか積み重なって自己肯定感を上げてくれるのを待ちましょう。毎日小さな自己肯定感の貯金をしていくイメージを描いてみましょう。