Lesson8-6「FAQ⑥ー子供が人に迷惑をかけます」

子供がほかの人に迷惑をかける時もチャイルドコーチングが利用できます。

子供が親から教えてもらわなければならないことの中に、自信と他者への思いやりがあります。

自信は親から愛されていないと生まれませんし、他者への思いやりは親から教えてもらわなければ育ちません。

ですから、他者への配慮をぜひともチャイルドコーチングのトピックに加えてください。

子供が騒いで他の人に迷惑をかける場合もありますし、親との大切な約束を守らず親に迷惑をかける場合もあります。

その都度、親は怒りを爆発させるのではなく、話し合いで「(子供)がどのように親を含む他者へ影響を与えたか」を教える必要があります。

「あなただったらどのように感じる?」「このようなことをされた人はどう思うかな?」などの質問も使ってみましょう。

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怒ることと教えることは違います。

怒りは単なる感情であって、感情で物事を教えることはできません。

親が怒りを爆発させてしまった時は「わたし(親)はこのように感じたから、思わず感情を爆発させてしまった」と理由を説明してあげましょう。

例えば、子供の携帯電話使用が頻繁であるような場合、電話代が家計の負担になっていること、負担が減らせれば助かることを子供に伝えましょう。

子供が公共の場で騒ぐ場合も同じです。静かに話せる場所で、子供が騒いだことでわたし(親)がどのように思ったかを伝えます。

他者がかかわっている場合、子供に他者の立場になって考えてみることを提案できます。

親や他者に感情があることを教える

子供は親を何事にも動じることのない超人だと思っています。

怒りを爆発させることはあっても、悲しんだり、悩んだり、困ったり、感情があるとは思っていないのです。

ですから、「わたし(親)は●●君が約束を守らなかったから悲しかった」「とても心配した」などと、きちんと親にも感情や弱い部分があることを伝えていかなければいけません。

静かに伝えれば、子供は最初は驚いたりショックを受けたりするかもしれませんが、「親にも感情がある」ことを静かに理解していきます。

また、親の場合と同様に、小さな子供は周囲の大人にも感情があることがわかっていません。こちらも親の場合と同様に、子供の言動によって大きな影響を受ける存在であることを場面ごとに知らせてあげましょう。

「アイ(わたし)メッセージ」を使って教える

メッセージを伝える時は、「●●さんが怒るから」などと他者に責任を取らせず、まず「わたし(親)がこう感じた」というアイ(I)・メッセージで伝えるようにしましょう。

このように親がメッセージに責任を持つと、子供も真剣にその言葉を受け止めます。

「第三者がこう言っているから」というメッセージは誰にも責任がないために子供も無視しがちです。

そして、他者への影響を説明するときも「Youメッセージ」を避けるようにしましょう。

「あなた(You)はどうして他の人の迷惑が考えられないの?」「あなた(You)は他の人に迷惑をかけた」と子供の人格そのものを批判する必要はありません

教育的メッセージは、子供本人を批判することではありません。子供は自分が批判されれば、自分を守ることに必死になり、他者を考慮してみる余裕がなくなってしまいます。

「●●ちゃんが待合室で騒いだら、待っている人はどう思うかな?」などと質問して、子供の共感する力に訴えかけましょう。

丁寧にお願いする

子供がチャイルドコーチング会話で、ある程度、親の気持ちや他者の気持ちに共感することができたら、「丁寧にリクエストする」という形で解決策を提案します。

もちろん、子供が自ら解決策が提案できればそれは成功です。

子供がまだ小さく、適切な解決策が出せない場合は丁寧なリクエストで行動を促してあげましょう。

小さな子供の場合、改まって敬語でお願いするのが効果的です。

:「今度は待合室にいるときは静かにしていてくれますか?」

子供は親の態度を反映しますから、敬意をもって丁寧にお願いされた場合は、同じく敬意をもってリクエストに答えるでしょう。親が怒りを爆発させれば子供も怒りを爆発させるのです。

  • 親や他者にも感情があることを教えよう
  • アイ・メッセージを使い、子供の人格そのものを攻撃しない
  • 丁寧にお願いすれば子供はリクエストに応えてくれる