チャイルドコーチングの中で一番聞き慣れないスキルが「承認(アクノリッジ)」のスキルでしょう。
「承認(アクノリッジ)」のスキルは、難しそうな言葉ですが決して難しいスキルではありません。
大人のクライアント相手に行われるコーチングと違い、チャイルドコーチングは親子で行うコーチングです。コーチである親は子供の事を愛していますから、本当は「承認(アクノリッジ)」のスキルはいらないのです。
しかし、残念ながら忙しい今日では、親の愛を十分に子供に伝える時間や余裕がありません。
親は毎日のタスクや責任に追われ、子供も競争社会で自信や自己を見失いがちです。
ですから、意識的に「子供を愛している」「あなたは素晴らしい存在」というメッセージを伝える努力が必要です。それがコーチングでの「承認(アクノリッジ)のスキルです。
否定・批判しないという「承認」
「承認(アクノリッジ)」に特別な技術やルールはありません。
極端にいえば「話を最後まで聞く」スキルがすでに「承認」です。
親が子供の話を否定しなければ、それは肯定になり、肯定することが「承認」でもあるのです。
人間は肯定感を与えられると自信が生まれ、やる気がでます。
親から肯定されること(否定されないこと)は、子供に外の社会で生きていく力を与えるのです。
逆に親から常に否定されたり批判されたりする場合はどうでしょうか?
否定や批判には「肯定」と逆の力があります。
つまり、否定されたり批判され続けると人は追い詰められ、自信を失います。自己を否定されるのです。
追い詰められ、自己を否定されることは攻撃されているのと同じです。人は攻撃を避けるために批判する人を避けるようになるでしょう。
批判する人が親であっても同じです。
親としてリスペクトはしますが、できるだけ関わりたくないと思うのです。
子供がそのまま成長すれば、親には当たり障りのない話だけをする癖がついてしまうかもしれません。それはとても残念なことです。
口に出して伝える大切さ
親と子供の絆以上に強いものは人間社会に他にありません。
だからこそ、親が子供との強い絆に甘え、その時の気分の赴くまま好きなように子供の話を否定したり批判したり、怒りを爆発させたりしてしまうのかもしれません。
しかし、「親子だからわざわざ口に出さなくても本心をわかってくれる」わけではありませんし、どんなことを言っても信頼が変わらないわけでもありません。
口にだして初めてきちんと伝わる思いもありますし、言ってはいけない言葉もあります。
「子供だから分からない」、「子供からすぐに忘れるはず」と思わず、良いことは口に出して伝え、批判や否定などは頭に浮かんでも極力口に出さないようにしてみましょう。
「あなたという存在を認めていますよ」というメッセージがきちんと子供に伝われば、子供は安心し、自尊心が育ち、初めて外の世界で挑戦したり戦える強さが生まれるのです。
- 「聞くこと」が承認
- 話を否定しない・批判しないことが承認
- あえて承認を口に出すことが必要
