チャイルドコーチングの会話は、目の前の問題が解決したり、目標が設定できたあとはやめてしまってもいいものではありません。
前回のレッスンで学習しましたが、意欲は時間が経てば薄れ、目標と現実の間にズレが生じてきます。
連続的にチャイルドコーチング会話をすることでズレを修正していきましょう。
大人を相手にしたコーチでも、定期的な目標のズレ修正が成功の要です。
チャイルドコーチングは、一時的な目的達成が目的のビジネスコーチングなどと違い、子供の人生というロングスパンをコーチしなければなりません。
タイムリーなフィードバック
タイムリーなフィードバックは子供の意識を目標や約束に向き直させるのに必要です。
フィードバックは、子供の話を聴き終わった後にだけ与えられるものではありません。
子供と目標や約束の話し合いをした後、日々の生活の中で気づいたことは全てフィードバックになります。
気づいた時には、時間を置かずに、すぐに子供にフィードバックしてあげましょう。
わずかな変化のフィードバック
子供が成績や生活態度の改善を目標にした場合、目標が達成されるのは長い時間が必要になるため、子供はすぐに飽きてしまうか、成長実感が持てずに挫折してしまう可能性があります。
小さな変化に目を止め、少しの変化でもフィードバックしてあげましょう。
無理に褒めることは必要ありません。
なぜならば、褒められることを否定してしまう子供もいるからです。
ポジティブな変化や事実だけを述べるだけで充分なフィードバックになります。
フィードバックの例:
親: 今週は一週間の予定のうち、半分もこなせるようになったね。最初は一日しかできない週もあったから。
子: そうなんだよね。最近はだんだん勉強していることがわかってきたんだ。
親: それは良かったね。予定が難しそうだったら少しスケジュールを見なおしてみようか。
子: 大丈夫だよ。来週はもう少し頑張ってみるつもりだから。
※この会話では、親は出来るだけポジティブなフィードバックをしています。また、この会話で親がヘルプもオファーしていますが、子供は自分で調整するほうを選びました。
フォローアップはステップ1からの繰り返し
定期的なフォローアップは、「傾聴、共感、質問、承認」というコーチングスキルの繰り返しです。
目標を設定した時のように長い話し合いが必要になる場面もあるでしょうし、短い質問の対応だけで、子供が目標修正できる場合もあります。
基本のステップはすべて同じです。
1:子供の話を聴く(現状はどうか?問題が生じているか?)
親: 最近学習カレンダーにチェックがつけられていないね。何かあったの?
子: 最近は学校でこんなことがあって、勉強に集中できていないんだ。
親: どんなことがあったの?
2:共感する(穏やかな態度で聞き、批判したり糾弾したりしない)
親: そんなことがあったんだね。大変だったんだね。
3:質問する (解決策はあるか、別の見方ができるか導く)
親: その問題は友達と話してみた?
4: 承認する
親: ●●君は友達のことをよく考えているんだね。とても優しいと思うよ。
5: リクエストする(提案方式で行動を促します)
親: 少し複雑な問題のようだから担任の先生にも話せるかな? 問題解決の助けになってくれるかもしれないね。
子供を信頼する
フィードバックする時にとても必要なことは「自分の子供は約束を達成できる、目標を達成できる」と信頼することです。
「ほら、やっぱりできないんじゃないの?」という気持ちがあれば、それは必ずフィードバックに現れてしまいます。
子供への信頼は親から子供に必ず通じ、子供も目標達成ができると信じるようになります。
その為には、「承認スキル」で学んだように、日々子供への関心と観察を続けることが必要です。
- 目標にはズレ修正が必要
- わずかな変化を見逃さずタイムリーなフィードバックをしよう
- 効果的なフィードバックのコツは子供の力を信頼すること
