Lesson6-3「行動させる③ーリクエストする」

先回は、親から感想や考えを述べ、子供の思考を軌道調整するフィードバックというスキルを学びました。

それでは今回は、行動を「リクエスト」するスキルを学習しましょう。

リクエストするとは?

英語のRequestには、「礼儀正しくお願いする」という意味があります。

ですから「リクエスト」はお願いであって、命令ではありません

チャイルドコーチングでは、最終的に子供が行動することによって成果が現れます。

それで、子供が具体的にどのような行動をすれば目標が達成できるのか、親が「リクエスト」という形で提案することで行動を促すのです。

コーチングは常にコーチされる子供に主導権があるのでは?と思われるかもしれません。

しかし、「リクエスト」はお願いですから、子供には拒否する自由があり、子供の主導権や選択権を奪うものではありません。

コーチングによって良い結論がでたものの、行動に移すにはためらいがあったり、今ひとつ勇気がでない場合は、親が具体的な行動案を「リクエスト」することで子供は行動をおこしやすくなるのです。

もちろん、親は子供より経験がありますので、ついつい「答えを知っているから教えてあげる」と思ってしまい、せっかくのリクエストが「命令」や「押し付け」になってしまうこともあります。

それではスムーズなリクエストの仕方を見てみましょう。

リクエストの仕方

リクエストのテクニックは目標達成のためだけでなく、普段の日常でも使えるスキルです。

リクエストは、「~~してくれるかな?」「~~してくれますか?」というお願いの形を取ります。

復習になりますが、人間は自分からYESと肯定すると行動しやすくなります。お願いの形でしたら、気持ちよく「いいですよ。」と肯定できますが、命令されると反発したくなってしまうでしょう。

子供が快く「いいですよ。」と承諾できるリクエストの仕方をしましょう。

命令の例:

:部屋を片付けなさい!

リクエストの例:

:部屋を片付けてくれますか?

リクエストには「~~しないでほしい」という言い方もあります。

例:

: 今お客さんとお話しているから、大きな声をださないでいられますか?

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目標を達成するためのリクエスト例:

親: 宿題のための時間をもっと取るというのはとっても良い目標だと思うよ。そのためにテレビの時間をもう少し減らすっていうのはいいアイディアだね。具体的にどの日のテレビを削れるかな?カレンダーに書いてみてくれますか?(またはカレンダーに書いておける?)

子: うん。

※この会話では、最後に親が「丁寧にリクエストする」という形で締めくくられています。子供は、親から丁寧にお願いされたので、リクエストを快く承知しました。

リクエストの頼み手は「親」

リクエストをする時は、「~~が言っているから」「~~さんが困っているから」と人の責任にせず、自分の責任にしてみましょう。

「バスの運転手さんが怒るから」と言うよりも、「お母さんが助かるから、バスに乗っている間は静かにしていられますか?」と言ってみましょう。

子供はリクエストの相手が他人より親であるほうが、リクエストを聞きやすくなります。

誰かのためではなく、ほかならぬ親からのリクエストなら聞きたいと思うのではないでしょうか?

  • リクエストとは「礼儀正しくお願いすること」
  • 子供は肯定返事をすると行動しやすくなる
  • 「他人からのリクエスト」としてではなく親からの直接リクエストにする