ここまでのレッスンでは、子供を承認するスキルを学んできました。
子供を正しく承認するためには、子供をよく観察し、よく理解してあげることが必要です。
今日は子供を理解したり、子供の傾向を知る上で助けとなる「優位感覚」というものを学習してみましょう。
優位感覚とは?
もともとはコーチングでよく活用されているNLP(神経言語プログラミング)で使われだしたアプローチ(VAKモデル、またはVADADモデル)といわれています。
日本では「性格別学習方法」としても知られています。
優位感覚とは、個々の人間の中で優先されている感覚(よく使われている感覚)で、主に4つのタイプに分かれています。
視覚優位
「視覚優位」とカテゴリー分けされる人は、考え方や感じ方の中で視覚が優先されているタイプです。
このタイプの人は、学習時には、図やチャート、年代表など目で見渡せるものを使って学習するのを好みます。
映像に強い興味を示すので、ゲームやテレビ、漫画や本を読んだり、イラストを描くことが得意かもしれません。また、図やスケジュール表などで将来の計画をたてたり、時間を管理したりすることが得意です。
言葉だけで説明されると混乱する傾向にあり、メモにしたり、文章にしたもので理解しようとします。
視覚が優先されているため、見ているだけで十分満足してしまい、周囲には引っ込み思案、おとなしい、活動的ではないと誤解されることもあります。
聴覚優位
このタイプは音を優先させるタイプです。
学習では、講義を聴くだけで多くのことが理解でき、教科書を音読で覚えたりするのが得意でしょう。
人の発言などをよく覚えていて、繰り返すことが得意です。
音楽に興味を示す一方で、音に敏感なので大きな音などがしていると他感覚優位の子供と比べて集中できません。
音を楽しんでいるので活動的には見えますが、考えをまとめたり、長期的な計画を立てたりするのが苦手な子供もいます。
体感優位(もしくは触覚優位)
体を動かしたり、実際に触れたりする感覚が優先されているタイプです。落ち着きがないようにも見えますが、体を動かすことで理解したり、自分のものにしたりする子供です。
学習では、実験などが得意で、体を動かしながらだと記憶しやすい特徴を持っています。説明書を読んだりするのは苦手で、色々いじりながら理解するのが得意です。
体感が優先されているので、しばしば落ち着きがないと思われがちです。誤って、ADHD(注意欠陥多動性障害)や学習障害があるなどと判断されてしまう子もいます。
言語感覚優位
言葉に置き換えて理解するタイプです。多くのことを言葉に変えて考えるため、理屈っぽいと解釈される場合もあります。また、言葉に置き換えて理解するため、他タイプの子供とくらべ、学習スピードがゆっくり目に見えるかもしれません。
言葉そのものにこだわり、時間をかけて文章を書くのが得意です。
頭の中で非常にたくさんの言語思考が働いているので、言語が優先されているのに発言が苦手な子供もいます。質問をしても返答に困っている場合、考えていないのではなく、逆に考えすぎて思考がまとまらない状態なのかもしれません。
自分の優位感覚を知ろう
親子で優位感覚が一致している場合、お互いに理解しやすい傾向にあります。 優位感覚が違うと、知らず知らずぶつかりあうこともあるようです。
インターネットなどで無料の「優位感覚テスト」がたくさん出ていますので、親子で自分の優位感覚を当て合うのも楽しいかもしれません。
もちろん、優位感覚カテゴリー分けは大雑把なものなので必ずしもこの4つに当てはまらないこともあります。2つの感覚が同時に優先になっている子もいるでしょう。あくまでも、「子供の傾向」を理解する上でのヒントのひとつとして利用してください。
- 「優位感覚」とはNLPなどで使われている行動傾向カテゴリー分け
- 行動傾向が視覚、聴覚、体感、言語感覚の4つに分けられる
- 親子でどの優位感覚に共感するか話し合ってみましょう
