前回のレッスン「Lesson4-2」では、質問には「オープン・クエスチョン」と「クローズド・クエスチョン」という2つのタイプがあることを学習しました。
本日は、そのオープン・クエスチョンをもっと詳しく学習していきましょう。
オープン・クエスチョンはさらに、「拡大質問」と「限定質問」の2つにわけられます。
限定質問
「オープン・クエスチョン限定質問」とはどんな質問でしょうか?
オープン・クエスチョン限定質問とは、相手が自由に答えられるタイプの質問ではありますが、ある程度答えが限定される質問方法です。
例
親: 「今日は誰と遊んだの?」
※この場合、答えが「はい」か「いいえ」に限定されてしまうわけではないため、クローズド・クエスチョンではありません。しかし、答えの選択肢は「友達の名前」にだけに限定されてしまいます。
この質問の中では一部が断定されています。
「遊んでいた」ことは質問の中で断定されていますので、オープン・クエスチョン形式ではあっても、場合によっては会話を閉じる原因になってしまう質問かもしれません。
このように、限定質問はオープン・クエスチョンの一種ではありますが、回答の範囲が非常に狭められている為、クローズド・クエスチョンと同じように相手に威圧的に聞こえることもあります。
ただし、子供が答えに困っているようなシーンでは、「クローズ・クエスチョン」と同じく、回答の範囲が狭められるために子供が容易に質問に答えやすくなるという利点もあります。
拡大質問
一方で、「オープン・クエスチョン拡大質問」は答えの選択肢が多くなる質問方法です。
「何を(What)」「どうやって(How)」「どうして(Why)」という疑問詞を使った質問で、この種類の質問を受けた子供は自由に状況を説明することができます。
例
親: 「今日は学校から帰った後は何をしていたの?」
子: 「今日は遊びに行かないで、ちゃんと宿題をしてたんだよ!」
※この質問では、「学校から帰ったら遊んでいた」と決めつけることなく質問をすることができました。そのため子供から素直な反応を得ることができました。
各タイプ質問の質問例
では、各タイプの質問例をもう少し具体的に考えてみましょう。
「クローズド・クエスチョンタイプ」の質問例:
親: 「今日も●●君と遊んでいたんでしょう?!」(「Yes」「No」の答えが主軸となる質問)
子: 「違うよ!決めつけないでよ」
※これは、子供の話を聞く前に答えを決めつけている質問方法です。クローズド・クエスチョンで質問された子供は「どうせ親は答えも決めつけてるに違いない」と感じ、「関係ないでしょ」などとはぐらかし、質問自体に答えようとしないかもしれません。
また、答えが「はい」でも自分の身を守らなくてはいけないと身構えてしまい、思わず「違う」と嘘をつきたい気持ちになってしまうかもしれません。
「オープン・クエスチョン限定質問タイプ」の質問例
親: 「今日は誰と遊んでいたの?」
子: 「誰とも遊んでないよ」
※このタイプの質問は、「クローズド・クエスチョン」よりは答えの自由がありますが、質問の一部が断定されています。
穏やかな態度で質問すれば子供から的確な答えを得ることができますが、質問の仕方によってはクローズド・クエスチョンと同じくらい威圧的にもなります。
「帰宅後、真面目に宿題をしていた」という答えがあっても、この質問の仕方では素直な答えをひきだせません。
「オープン・クエスチョン拡大質問タイプ」の質問例
親: 「今日は学校から帰って何をしていたの?」
子: 「今日はね、ちゃんと宿題をやっていたよ!」(または 「●●君と遊んでいたんだ」)
親: 「何の宿題をしたの?」(または「どんなことをして遊んだの?」)
子: 「国語と算数」(または「ゲームもやったけど、一緒に宿題も済ませたんだ!」)
親: 「そうなんだ。偉いね!」
※上記の質問では、オープン・クエスチョンの拡大質問タイプを使うことによって、子供に回答の自由を与えられました。
また親が子供の行動を決めつけることなく、自由に回答できるタイプの質問をしたため、子供との言い合いや険悪なムードにならずにその日の行動の情報を得ることができました。
そして、さらにオープン・クエスチョン拡大質問を続けることによって隠されていた情報が明らかになり、会話がスムーズに進んでいきます。
チャイルドコーチングの会話ではオープン・クエスチョンを使うようにしますが、さらに、オープン・クエスチョンの中でも答えの幅が広い「拡大質問」(何を、どうやってで始まる質問)を使うことでさらに会話を深めていきましょう。
- オープン・クエスチョンには2種類の質問方法がある
- 答えが一部に限定されてしまう「限定質問」
- 答えの選択肢が広い「拡大質問」
