それでは、この章で具体的なチャイルドコーチングの質問を学んでいきましょう。
質問にはいくつかの種類があります。
コーチングにおいて質問をする時、その質問がどのタイプの質問なのかを考えることが大切です。
質問タイプを考えることにより、その質問はコーチングを妨げてしまうのか、それとも助けてくれる質問なのかを見極めることができます。
それでは今日は、代表的な2つの質問方法である「クローズド・クエスチョン」と「オープン・クエスチョン」を学習しましょう。
クローズド・クエスチョン
「クローズド・クエスチョン(Closed Question)」は、Close(クローズ 閉める)という名前から分かるように、質問することで会話が終わってしまうタイプの質問方法です。
具体的には、相手の答えが「はい」か「いいえ」のどちらかに限定される質問です。
例えば「宿題はもうやったの?」という質問に対する答えは「はい」か「いいえ」ですね。
このタイプの質問は会話を進めるより、会話を終わらせてしまいますのでコーチングでは使用が極力避けられています。また、質問形式が「はい」か「いいえ」でしか答えられないので、説明や言い訳の余地がなく、そのためにこの質問を受けた子供は逃げ場がない気持ちになるかもしれません。
しかし、クローズド・クエスチョンにはメリットもあります。
答えが「はい」か「いいえ」で答えられるので、質問をされた方はあまり深く考えることなく回答ができるというメリットです。
また、まだ自分から多くを語れない幼い子にチャイルドコーチングをする場合、簡単に答えられるクローズド・クエスチョンを多めに使うことで会話を簡単に続けられます。
しかし、「はい」か「いいえ」で答える質問は「尋問的」な響きもあり、親が気軽に質問したつもりでも子供は憤慨しやすいかもしれませんので、必要でなければできるだけ多様を避けましょう。
質問例
親: また宿題をやってないんでしょう?
※このようなクローズド・クエスチョンは「宿題をやった」「やっていない」のどちらかしか答えの可能性がありません。また、子供は質問をした親に答えまで決めつけられているように感じるでしょう。このようなクロード・クエスチョンをされた子供は不満が募り、建設的な会話は始まりません。
オープン・クエスチョン
一方で、答えが「はい」か「いいえ」で答えられないタイプの質問が「オープン・クエスチョン(Open Question)」です。
質問例
親: 今日の宿題はどうだった?(「はい」「いいえ」で答えられないオープン・クエスチョン)
このような質問には「はい」か「いいえ」で答えることができません。自由に何かしらの説明をする機会が与えられています。
回答例
子: 「ええと、まだ宿題、やってないんだ。」「これからやろうと思ってたところだよ。」「今日は宿題がすくないから」等
自由に答えられる余裕があると、子供は答えが決めつけられていると感じることなく平穏に会話が進みます。
また、オープン・クエスチョンは、クローズド・クエスチョンと比べて、回答範囲が限定されていないので、子供からより多くの情報を得ることができます。
チャイルドコーチングは子供に自分の気持ちを話させることによって答えを引き出すコーチングですから、オープン・クエスチョンのように自分の言葉で自由に話しだせるような質問をすることがとても重要です。
チャイルドコーチングで質問をする時にはぜひ「オープン・クエスチョン」を使うようにしてみましょう。
次の章ではオープン・クエスチョンの使い方を具体的に学習していきましょう。
- 代表的な質問には以下の2つのタイプがある
- 答えがYESかNO、またはAかBなど断定される「クローズド・クエスチョン」
- 自由に答えられるタイプの質問「オープン・クエスチョン」
