さて、いよいよ4番目のステップである「承認する (アクノリッジ acknowledge)」というステップを学んでいきましょう。
これまで、
1:子供の話を傾聴し、
2:ボディランゲージや言葉を繰り返すことで共感を表し、
3:さらに良く考えるように質問で思考を促してきました。
レッスン5では、そのプロセスの後、子供の存在や決定を認めてあげるスキルを学びます。
なぜ「承認(アクノリッジ)」が必要なの?
子供でなくとも、人間は誰でも人の中で生活し、人からの承認を得ることで安心したり、勇気づけられたりします。
アメリカの心理学者アブラハム・マズローは、「マズローの欲求段階説」という自説の中で、人間には5つの基本的欲求があり、他人からの承認(尊重)の欲求も大切な基本的な欲求の1つであるとしています。
1つの欲求が満たされると、次の段階の欲求が生まれます。
「マズローの欲求段階説」では、人間の一番底辺にある原始的欲求は、食べ物を食べたり眠ったりする本能的な欲求だと説明しています。その欲求が満たされると、次に人間は安全や健康の確保という欲求をいだきます。
三番目の欲求は他人とのつながり(愛や所属)の欲求です。
子供は、親から食べ物や住居が与えられ、家族というコミュニティに安全に属することで基本の3つの欲求はすでに満たされているでしょう。
その次に現れる欲求は「人から認められる(承認される)こと」です。
自分という存在が認められ、信頼され、尊重されていると知ることも子供にとってとても大切な欲求なのです。
そして、この「承認されたい」という欲求が満たされないと、他の3つの基本的欲求(生理的欲求や安全)が満たされていても不満を感じるようになります。
この4番目の「自我欲求(承認欲求)」が満たされると、最後の欲求レベルである「自己実現の欲求」が生まれます。
マズローによると、「自己実現の欲求」とは
●自律性への欲求
●自分の人生をより良いものにする欲求
●自分と他人、そして自然環境を受け入れる欲求
●創造的欲求
●哲学やユーモアなどへの欲求
●社会(文化)枠から超越する欲求
●正しい善悪判断の能力
●他者と関わる能力
など、より高い人間性がはぐぐまれるための欲求です。
コーチングの究極的目的は、子供の「自己実現」を助けることですので、その一歩前の欲求である「承認」をしっかり学習して子供に「承認」を与えてあげましょう。
- 四番目のスキルは「承認 (アクノリッジ)」すること
- 「人から認められること」は人間の基本的欲求のひとつ
- 「承認」されてはじめて自己実現への欲求が沸く
